トイレの忘れ物の神様

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トイレに入るとスマートフォンがトイレットペーパーホルダーの上においてあった。
忘れ物のようだ。個室の外で「スマホ忘れちゃってさー」というドジトークを繰り広げているやつがいる。私はこのスマートフォンをどうしたらいいのだろうか。そのまま個室に放置しておけばいいのだろうか。
そんな悩みもウンコを出し尽くすと、なんてちっぽけな悩みなのだろうと思えるもので、用を済ませた私は親切にもスマートフォンを持って、外で待っている落とし主に渡してあげた。トイレには行列が出来ていたからだ。

泣いて喜んでもよさそうなところだったが、なんとも微妙な顔をして、満足に御礼も言わずに去っていった。私が持ち出さなければそいつはお目当ての個室があくまで行列先頭の権利を後ろに譲りつつ、待つ羽目になるところだったのに。
失礼なやつもいるもんだと、最近の若者に嘆きを感じながら手を洗っていた時に、気がついてしまった。私ったらウンコした後そのままの手でスマートフォン持っていたわけである。見知らぬ人の。そりゃ、微妙な顔もするというものだ。
スマートフォンの画面はトイレの便座よりも汚いと言われて久しいが、まぁ、そりゃ便座よりも汚そうな手で握られたらどんなスマートフォンも汚くなる。今後気をつけようと思う。というかトイレにスマートフォンを忘れる方だって悪いぞ。スマートフォンに夢中になって個室を占拠していた可能性だって否定できないので、下手にでてやらない。

人よりトイレに行く回数が若干多いことでおなじみの私であるが、スマートフォン以外にも忘れ物を目撃したことが何度かある。

まずありがちなのだが、雑誌や新聞である。この場合は忘れ物と判定するのがいささか難しい。トイレを大きなゴミ箱と勘違いしている人間が少なからずいるのが日本の悲しい現実である。そんなゴミ扱いを受けた雑誌はトイレに放置されることになる。
ようやっと個室に入り、落ち着いた自分と目が合う表紙のグラビアの女性。人間が一番リラックスするウンコタイムに最適な暇つぶしの登場である。こんな形でグラビアアイドルと目を合わせるなんてと思いつつも、することも無いので雑誌のページをめくる。内容はどうでもいいのである。そしてどうでもいい雑誌しか忘れ物にはならない。
おそらくは、面白いとのめりこんでしまい、ハッと時間の経過に気づく。慌てて途中の雑誌をとじてケツを拭いてトイレを後にする。頭の中は雑誌の続きが気になって仕方ないので、忘れることはない。どこから、どこを読んでみても面白くない、そんな雑誌ばかり忘れられている。たまに2日とか2年前の新聞とかもあるが、タイムトラベラーでも不時着したのかと心配になる。

他には飲食物というケースもある。さすがに私もラッキーといって食べたり飲んだりするようなガッツある男ではない。あ、ここで召し上がってらっしゃったんだろうなと思ってその光景に思いを馳せる。どんな気分でここにやってきたんだろう、友達はいないんだろうか、だんだん切なくなってくる。留年して一緒に授業受けるやついなくなったもんな、親が無駄におにぎりだけ持たせてくれたな、とか学生時代の自分を思い出して泣きたくなる。トイレに飲食物を置いていくのは(精神)衛生上よくないので気をつけてほしい。

一番不快な気分になるのは、ウンコ本体の忘れ物である。本体というのはもはや流すことを忘れたやつで、往々にしてトイレットペーパーとセットである。それ以外のパターンだと流したけど根性がありすぎて流れきらなかった分身とか、規格外のサイズで日本の水流では収まらないやつとかもたまにいるが、まだかわいい。本体丸々って、犬とかわらない。紙があるだけ文明に寄ってるだけ。頼むから消えてくれと切に願う瞬間である。

本当に最悪なのは人間本体がいるケース。鍵を閉め忘れるようなやつは、多分、今まで話したようなもの全部忘れる。

本当に気をつけようと思う。

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