不健康は一日にしてならず
生まれて初めて健康診断でひっかかった。
尿酸値が高かった。異常に高かった。4.0~7.0mg/dlが正常の範囲らしいのだけれど(単位はわからない)私の叩き出した数値は9.0mg/dl位であった。偏差値で言うと70は越えてるのではないだろうか。難関大学。
その結果から、要注意、要検査をすっ飛ばしてまさかの「要治療」認定された。
そもそも尿酸てなんなのか。これまで幸運にも病気とはあまり縁のない生活をしていたのでよく知らなかったのだが、みんな案外尿酸高い。会社でもプライベートでも話してみれば「俺も俺も」の大合唱。これが不健康話しかしなくなる大人ってやつか。
聞いた話を総合すると、とにもかくにもプリン体ってやつが悪いらしい。
プリン体。名前から連想できるのは子供の大好きなスイーツかポケモンか、どちらにしろ可愛らしいイメージしかないのだけれど、成分としてのプリン体は穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれ、主に旨みの成分ということである。
具体的にはレバーやビール、魚卵とかと聞く。昔は贅沢病なんて言われてたらしいが、平成も終わりが見えてきた今日において、人は誰も尿酸の高い食品と隣合わせで生きているのである。
尿酸値が高いとどうなるのか、それは健康診断の結果にしっかりと書かれていた。「痛風」になるらしい。
痛風。
風が吹くだけで痛いというアレである。痛いのは足の関節とかで、何かが溜まって固まって肥大化するらしい。
これが仮におチンチンの肥大化を招くとかだったら、怪我の功名とやらか、ふふってなるんだけど、痛いのはいやだ。
さらに痛風からさらに上級の腎臓結石という症状に昇格するリスクもあるので、冗談はほどほどにしておきたいと思う。おチンチンが痛いのはいやだ。
まだ使う可能性だってあるのだ。
余談になるがもうすぐ2歳半になる娘がトイレでニヤニヤしながら「チンチン!」と叫んだ時はめまいがしたものである。別居して久しいが、娘の成長を肌で感じた、そんなチンチンであった。
さて、健康診断の結果に要治療と記された私の元には、診断結果と一緒に紹介状なるものが入っていた。初めて手に入れた紹介状。
これがゲームであれば王への謁見が許され、攫われた姫を救ってほしいとか、復活した魔王を封じ込めてくれとか頼まれるのあろうけど、あくまで病院の紹介状。
大きな病院は準備せずに足を踏み入れると5000円くらいかるく持っていかれるらしいのだが、それが免除される。それだけである。逆にいうと、この紹介状、5000円の価値があるといっても過言ではないのだが、大黒屋でも換金できないので、難儀な世の中である。
病院に持っていく以外使いみちのない紹介状を引き出しの奥に封印して早3ヶ月が過ぎようとしている。でもいつ痛風が爆発してもおかしくないし、もっと大きな病気の引き金になる可能性があることはよくわかったので、早いところ病院にいかなければ。
どうせ食生活の改善と定期的な運動を言い渡され、クスリを渡されるんだろうけど。
聞いた話だと一度クスリを飲んだら一生辞められないらしい。人間辞めますか?クスリ辞めますか?状態である。
クスリ漬けにされるのすごいコワくていまだに病院に行けずにいたところ、気がついたら皮膚科にいた。
長年放置していたイボが爆発したのである。おかげで今塗りクスリ漬けである。
おとなしく紹介状を持って内科に行ってこようと思う。