山も谷もない30後半Webディレクターの手日記

気が付いたら40の背中が見えるようになってきた、バツイチwebディレクターの仕事にほとんど関係ない、日常のことを綴ったり綴らなかったりするブログ

我が物と思えば笑し笠の雪

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雪がすごかった。

私も、北関東出身とはいえ雪が降ることは珍しい地域なので慣れない足場に悪戦苦闘、電車も遅れるなど多少の影響は受けた。まだまだ寒い日が続くらしいので路面凍結など注意してほしい。

 

そんな中、テレビ各局ではアナウンサーでない記者が様々な地域へ派遣され、中継で現地の様子をリポートしていた。私は出社を諦めて温かい部屋でテレビをみていたのでこの記者も、電車で会社に行く人も大変だなと思っていた。

 

テレビ局の記者というのは普段あまり顔を出して話したりせず、インタビューなどで情報を集めて報道番組を作る役割の人だと私は理解している。違ったら申し訳ない、死んで詫びる所存である。

 

ある記者は都内のどこかの駅前から中継していた。片手に原稿、片手にマイク、まさにTHE・記者。これが台風中継になると、ヘルメットにカッパを装備し、原稿がビニール傘に代わる。波の様子や畑の様子を見に行かないように呼びかけるくせに記者にはそんな危険地帯から中継させる。世間的にはブラックかもしれないが、多分、見えないだけで「※中継上の演出です」ってテロップが出てるはず。


(歩かなければ)台風中継に比べて命の危険が少ない雪翌日の中継。記者は事前に駅に向かっている人にインタビューしたことを伝えようとしていた。

 

「先ほど駅に向かう長靴に話を伺いました」

 

長靴に、である。

 

長靴を履いた猫なら絵本で見たことがあるが、長靴と会話できる人間は出会ったことがなかった。なんでも長靴は電車遅延を見越していつもより2時間早めに家を出たらしい。社畜の鏡である。社畜の長靴である。

 

長靴が気になったのだが、別の中継に切り替わった。次の記者は住宅街の坂道の下にいた。この記者はマイクだけ持って坂の角度や長さなどを説明した後、凍った坂道を登ろうとして滑った。というか滑ろうとして滑った。危険性を身をもって伝えようとしているのはわかった。ありがとう。

 

さらに別の中継では繁華街かどこかに記者がいた。パッと見は普通の記者である。ただ、足元が革靴と長靴で左右バラバラだった。おっちょこちょいな記者もいたもんだと思ったが、交差点の歩道と車道の段差、少し雪が残っているようなところに片足ずつ突っ込むと、あら不思議、雪は溶けていて革靴はびちょびちょになってしまった。長靴はセーフ。長靴の必要性と雪が溶けて思わぬ水たまりが多いという危険性を伝えていた。ありがとう。

 

ある女性の記者は住宅街で中継中に目の前の車がスタックしたのか押してあげていた。ありがとう。

 

ニュース番組では時間を置いてまた、中継を飛ばすことがある。30秒程度のために雪や台風の中働かされたらたまったものではない。

 

長靴と会話できる記者に中継が戻ってきた。わくわくしながら記者の話を聞くが、残念ながら会話のできる長靴はいなくなったのか、人間にインタビューをしていた。雪と一緒に緊張も溶けたのかもしれない。

 

一方再度の中継で、凍った坂道の記者はまだ、坂道を滑っていた。

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