30過ぎのおっさんが5歳児に逆ナンパされる事案が発生

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先日娘とショッピングモールに行ってきた。空気を入れた遊具の中で一緒に飛んだり跳ねたりさせられてて一瞬で息が上がったりしたが、世の父親を満喫した。
今回の話は娘の言動とかではないのだが、敷地内の公園によくある遊具で遭遇した事案についての話。

 

幼児向けの公園には往々にして、跨って前後に揺れるだけの遊具がある。一昔前に流行ったジョーバ(乗馬運動を脂肪燃焼に使う健康器具)の自力&前後のみ版といったやつ。

調べたところそのままスプリング遊具という名前らしい、そのまますぎる。一人のものから2~3人乗り合わせるタイプまである。
一体何が楽しいのか、今となっては自分にはわからないが、子どもには大人気である。
そういった遊具で遊ぶには娘はまだ若干小さく、心配で補助をしていた。周りにはもっと大きい子どもがたくさんいて危なかった。

 

「あたし、何歳だと思う」

 

娘が乗っている複数人タイプのスプリング遊具に乗ってきた子どもが話しかけてきた。異性からされて面倒くさいと思う質問ランキングで確実に上位に食い込むであろう質問を、初対面のよりによって女児からされた僕は――思わず一人称も村上春樹の小説の主人公である――やれやれと回答を逡巡する。

誤解と炎上を覚悟で言うが、女というのは面倒くさい生き物である。それは同時に(保身のために言うと)男にも当てはまるのだが、とにかくこの手の質問でいい結果を得た記憶がない。

 

実年齢よりも下に言えば、嬉しがる、かと思えば「そんな子どもじゃない」と言う。たまに気を遣われすぎてバカにされてると感じる人もいる。

それならばと上に言えば、激高するか落ち込む。あんな空気になったキャバクラは地獄以外の何物でもない。嫌気が差して適当に答えているが、極稀に的中してしまうこともある。見事に当たったのだから褒めてくれと、賞品をくれと思うものだがなんとも言えない微妙な空気になる。正解が全くわからない。

 

これまでの経験は成人女性からの質問であり、また当然のことながら学生時代に同級生からされることもなかった。人は過去から、歴史から学ぶと言うが、今回は未知である。幼児に気を遣いすぎると、回答が受精卵になる。

少なくとも娘より大きいのは見た目からわかるのだが、2歳半の娘とも月に数回会うくらい、世間一般の幼児なんか年齢を気にして見たことないのだ。

 

「さ、3歳、くらい・・・?」全くわからない僕はいつも以上に適当に答えた。次の瞬間「ブー、5歳でした」不正解のブザーが響き渡った。そうか、5歳でこれくらいになるのか。3歳児ってそこまで急に大きくなるもんじゃないのか。一つ勉強になったし、不正解は全く悔しくない、後悔もない。

そもそも誰なんだ、この子どもは。保護者は何やっているんだ。5歳ということは小学校前であるし保護者が見ていなきゃだろう、不審者に声かけられたりしたらどうするのだろう。・・・。この状態だと僕が不審者になりかねない。早いところどっか行ってくれと祈っていると、次の質問が飛んでくる。

 

「あたしは誰でしょう?」

 

知る由も無い。興味もない、ヒントもない。たとえ東大生だってこの回答は導き出せない。突然話しかけてきて年齢を当てろって言ってくる、ちょっとお近づきになりたくない子ども、としか言いようがないのだが、さすがにそう答えるわけにもいかず、僕はその瞬間、この世で一番ぎこちない苦笑いを浮かべる。しびれをきらした女児は自分の名前を名乗った。

すでに十分にパニック状態であったし、その名前が次回の期末テストにでるとも思えなかったので、聞き流して「なるほど」とつぶやいた。気分はすっかり小説の主人公、世界中のトラブルが自らの身に降り注いでいる。いい加減この場をさらないと女児が機嫌を崩して泣くなどして周囲に誤解を与えかねない。しかしまわりこまれてしまった。

 

「どこの保育園いってるかわかる?」

 

知らねえよ。思わず口も悪くなってしまったが、近所に住んでいるわけでもないのでその時の保育園情報など全く頭にない。娘の保育園だってよくわからないままだったのだから。先程と同じように中空を眺めながら頭を掻いていると、諦めた女児はため息混じりにどこどこ保育園と所属を告げた。君はいったい何歳なのだというほどの、大女優の風格だった。

 

まだ遊びたがっていた娘を無理やり遊具から下ろし、逃げるようにその場を離れた。

 

ね、お巡りさん、つまり僕は何もやっていないのだ。

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