高校生にIT業界について話してきた件【後編】

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前回のあらすじ

webディレクターとして高校1年生にIT業界、仕事について話すアルバイトを行った時の話。報酬は商品券。
本当にこの1行だけで済む話を長々と書いたものである。

kimura-evkitty.hatenablog.com

 

同僚が行っていた大学生向け会社説明会を盗み見た要領で説明をすすめる。コミュ力の塊みたいな同僚は積極的に学生に話を振ったり、オーディエンスを巻き込んで盛り上げていた。見よう見まねで私も学生に挙手を求めた。質問内容はよく覚えていない、ただ誰一人手を上げないような話ではなかったはずである。少なくともここに集まっているのはIT業界に興味があって話を聞きたい生徒たちのはずなのだから。

 

出鼻を挫かれ、抜け殻となった私はこの後、話を一切振ることなく淡々と資料を読み進めた。近所の公民館で見たことある、紙芝居の読み聞かせ状態だった。40分の持ち時間のところ通常の説明会であれば10分で話し終える資料だったので、なるべくゆっくり読み上げて、頑張って20分。

以降は質疑応答の時間にしておけばなんとかなるだろうという目論見だった。目論見だったが、私の教室担当教師が、え、質疑応答?みたいなリアクションをしてから雲行きがあやしくなった。うすうす感づいてはいたが、質問なんかあるわけがない。挙手することができないのだ。残り20分、地獄の時を過ごす。教師の方が焦って強制的に生徒を指名していく。大丈夫なのか、パワハラで刺されたりしないのだろうか。指された生徒はいやいやながら質問をする。

 

「給料はいくらなんですか。」

 

オーケー。高校1年生くらいだと仕事内容はイメージできないもんな、そういう話をするべきだったんだな。とはいえ、自分の話をするのはさすがに恥ずかしいし、現実的な話をしてもふーんだし(何を話してもかもしれないが)、ここは一昔前の都市伝説みたいな話「ある会社で優秀なエンジニアとかだと初任給で○○円もらっているらしいよ」と回答した。これだって高校生にピンとくるはずはなく、ふーんであるが、また教師のフォローが入った。

 

「先生35歳で、働いて10年以上経ちますけど、そんなもらってないですからねー」

 

身体を張って高校生にわかりやすい説明をしてくれてありがとうと思いつつ、それでも生徒のぽかんとした顔。教師は愛想笑いを浮かべつつ、その後も順当に指名しては質問を無理やりひねり出させていた。

 

「会社はどこにあるんですか」
「社員は何人」
「ボーナスは」

 

その全てに誠実に(かつ適当に)答えて残りの20分、トータル40分をしのぎ切った。考えが甘かった。大学生で説明会にくるような若者はそもそも就職をしなければならない時期が間近に迫っていて、その会社のことを少なからず調べて来ているのだ。高校生は将来のことより今夜の夕飯、会社のことよりレンタルビデオ屋の暖簾の奥で見つける今夜のおかずのことを考えている生き物なのだ。私とITは10数個ある選択肢の中から選ばなければいけない選択肢にしか過ぎず、消極的選択の結果の集まりである。

 

生徒は第2希望の業界の教室へと移動していく。私が今日の計画の破綻を噛み締めていると一人の男子学生が目をキラキラさせて質問にやってきた。なんでも私の携わっているサービスのユーザーらしく、あれはどうなっているのか、どういう仕組なのか、好奇心が止まらなかった。私はこころなしかテンションが上って回答しつつ、さっき質問してくれよと複雑な気持ちになった。思春期の子ってのはやっぱり挙手をするのが恥ずかしいんだろう。

 

少し回復したテンションで第2希望の生徒を迎える。残念ながら今回も40人程度いる。しかし中にはきっと私のサービスのユーザーがいて、興味があって、目を輝かせてる生徒がいるはずである。私が挙手しやすい空気を作れば、きっと盛り上がりをみせることだって・・・。と思い、「IT革命という流行語がありまして、2000年だったかな。は!みんなまだ生まれてないですね、衝撃」という小粋なジェネレーションギャップ自虐を繰り広げたら、北風が吹き荒んだ。

 

この日何度めかの心の骨折により、以降はよく覚えていない。あなたがこのブログを読んでいるということは、無事に冬眠を終え目覚めたということでしょう。

 

IT業界、webディレクターなんて知らなくても生きていける。今見てるこのブログだって、ブログをみているそのスマホだって、仕組みはよくわからないけど、裏の畑になっていた。そんな理解で今後もブログを読んでもらえればいいや。

 

それにしてもこのブログは不作が続くな

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