山も谷もない30後半Webディレクターの手日記

気が付いたら40の背中が見えるようになってきた、バツイチwebディレクターの仕事にほとんど関係ない、日常のことを綴ったり綴らなかったりするブログ

35歳胃カメラ童貞の胃カメラまでの過ごし方

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今更に2019年の話をしていて恐縮なのだが、最近冬眠から覚めたような35歳男性なので許してほしい。年末に受けた胃カメラ等々の話である。

 

日程調整の結果仕事納めの翌日、年の瀬も瀬、胃カメラと血液検査に臨んだ。医者に言われた通り3日前から運動は控えた。なんなら12月はジムに一切行かなかった。その代わり年末ということで飲み会が怒涛の如くあった。とはいえ胃カメラ前の3日間アルコール摂取を控えればいいだけ、と当時は思っていた。自分が東京のサラリーマンだということを忘れていた。週末平日関係なく、あちこちで繰り広げられる飲み会、路上に散乱する吐しゃ物の雨、失われる現金と記憶。

 

容赦なく胃カメラの2日前に大忘年会が組み込まれた。当然私には胃カメラという大義名分がある、参加を拒否する権利がある、国に認められた基本的人権がある。しかし、私には国に認められた権利と同時に会社から与えられたポジションがあり、恩があり、プレッシャーがある。THE・サラリーマンという廉価なプレステゲームがあったら主人公に抜擢されそうな私は折衷案として、参加するけどお酒は飲まないと宣言した。

 

忘年会が近づくにつれてお酒飲みたい欲、飲んでも大丈夫だろという囁き、飲まないとお前は面白くないというレッテルにより、参加宣言の備考は少ししか飲みません、あまり飲めません、飲みましょう、と変化していった。そして忘年会翌日の仕事納めに私は有給を取得した。こいつ、飲む気満々である。

 

忘年会当日、いわゆる納会みたいな催しを行いつつ飲み会が始まった。こんなに関係している人間がいたのかと思わされるほどの数が、なぜ無理やり開催したと思わざるを得ないようなキャパの居酒屋の一角に詰め込まれてた。それでもいつも通りのペースで飲み続け、アルコールが入ってしまえば無駄に社歴だけを積み重ねたことによるトークで飲み会の波を渡り歩いた一次会。本当の意味で私の仕事納めはここだった。そう思った一瞬もあった。

 

次の瞬間なぜか二次会会場にいた。いや、酔っぱらっていたわけではないのだ。屈強な同僚がいたりとか、打ち所のわるい着地をして骨折、タンカに乗せられてとかではないのである。店に着くなり、「ここなら年の瀬でも空いてると思ったんだ」という店にも客にも失礼な発言をしていた。その罰があたったのか、二次会終了後、店の外でベトナム出張帰りの同僚の土産であるドリアンをなんちゃらした悪魔の実みたいなものを食べさせられて、吐いた。酒に酔っていたのか、悪魔の実の副作用なのか、吐いた。

 

吐いて死んだ結果、電車を逃し、オールを決意。年甲斐もなく吐いてから回復し朝まで飲み続けた。翌日休みにして本当によかった。ただ、翌日死んでいて、何も食べられなかった。胃カメラ前日は夕食を抜けと言われていたのでちょうどよかった。次回いよいよ胃カメラを体内に取り込むことになる。

 

胃カメラにたどり着けなかった・・。

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34歳(当時)の健康診断延長戦-臓器一つ死を覚悟する編-

 

怒った医者

健康診断から数か月たった後の結果報告を前回したが、結果を受け取ってから報告するまでの間に歳は重ねるわ、年は明けるわ、何してたんだか自分でも不安になる。そんなスパンなもんだから、指摘を受けたところはもちろん医者に行ってきた。

 

11月に診断結果を持って病院に行く。先人たちの経験から、有無言わさず尿酸を下げる薬を処方され、今後の人生その薬と一緒に生きていくんだろうなと思っていた。が、たまたま行った内科は胃カメラの権威みたいな医者で、どうにも胃カメラさせたいようだった。F判定の尿酸には見向きもせず、C判定の萎縮性胃炎に興奮。一日の大半をインターネットと接している自分は、もちろん診断された項目のチェックは欠かしていない。萎縮性胃炎は胃の粘膜が炎症を起こして、ゆくゆくは胃癌に発展してしまう可能性がある病気らしい。その原因として多いのがピロリ菌。胃カメラでピロリ菌を調査しようということになった。

思えば10年以上前にピロリ菌を殺したことがあったのに伝えられなかった。これは後でわかったことだが、ピロリ菌の復活は1,2%程度の確率らしい。以前殺菌したと伝える間もなく胃カメラやれってまくしたてられた。ついでに、ピロリ菌は母親からの遺伝が7割超、母親は胃の病気やっていないか、ピロリ菌は殺したか、胃カメラやらないと大変なことになるぞ、といった具合に聞かれた。母親が胃の病気を患ったかどうか、ピロリ菌を殺したかどうか知らなかったので、残りの人生あと何度母親にピロリ菌と言えるんだろうと切なくなった。

仕方なく胃カメラは受け入れて日程の調整を別ですることになったのだが、それよりも火急の事態は尿酸値である。いつ通風になってもおかしくないという、どこに出しても恥ずかしくない10.9という数値。さあ早く薬を出すと言ってくれ。ところが自分の思いとは逆の方向にことは進み始める。

「お酒飲む?」「当然、今も飲みたいくらい」
「運動してる?」「フットサルとキックボクシングを、昨日も(ドヤ」

よかれと思ってしたアピールだったが、激しい運動は尿酸値を上げることがあるらしく、さらに酒だけでこの数値をたたき出すはずがないというわけで、胃カメラと同時に再検査になった。

事前3日間はアルコール摂取しない、運動しない、前日20時以降にご飯を食べない。という縛りの元、年末の仕事納め翌日28日に人生初めての胃カメラ、尿酸の再検査となった。世は師走、忘年会の誘いが降り注ぐ中果たしてその約束を守れるのか。

 

次回、オール明けに胃カメラ!?

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34歳(当時)の健康診断結果発表-なんだこのアルファベットは!?編-

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新年あけましておめでとうございます。今年も一つ、ごひいきに。

 

さて、健康診断を受けただけの話から2か月。年も変わり改めて34歳当時の私の健康診断結果を公開する。半年前の。今は35歳にまでなっている。これは非常にセンシティブな情報なので、取り扱いに注意してほしいし、こんな身を削って発表する私にいい出来事の1つでも起きてくれないかなと思っている。

 

まずはお決まりの身長体重など、当日に数値がわかるものシリーズ。

身長:169.6cm
体重:61.5kg
腹囲:81cm

身長がまたしても170cmに届かなかった。ほぼほぼ170だし、コンビニ強盗したとしても「犯人は身長170cmくらいの中肉中背」みたいな感じで報道されるだろうし、ちゃんと逮捕されると思う。170ない男は逮捕されないはず。自己紹介で「170・・・ないくらい(小声)」という日々が今年も続くんだろう。猫背O脚改善したら180いくと思うのに。

 

続いては視力、聴力といった動物的能力である。これも当日わかる。聴力なんかは〇か×しかない。視力は相変わらず令和の時代とは思えないような、弱弱しいパックマンが向いている方向を答える形式だが、どこまでこたえられたかで数値づけされる。眼鏡を持ってはいるが、普段使いしていないため、ここの数値もほどほどだった。

 

このあたりから自宅に送られてくる診断結果でしか判断つかない項目になってくる。はたしてそれがどんなものなのか理解できないが適当にピックアップする。

 

心拍数:A 異常なし 71

幸いなことに止まってはなかった

 

胃透視:C経過観察 萎縮性胃炎

バリウムで殺されたうえにさらに異常ありって

 

コレステロール:C 経過観察 145

少し足りないらしいが、足りないとどうなるかわからない

 

尿蛋白:C 経過観察+

+か-かしかないのに+だと悪いらしい

 

尿酸:F 要治療 10.9

これが私の本丸である。いつ通風になってもおかしくない火種を体内に生息させている

治療としては薬を飲み続けるしかないアレである

 

次回、ようやく病院に行った話

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34歳の健康診断結果発表-ここまでは平和だった編-

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ずいぶんと更新が滞ってしまった。健康診断を行った後だったので、心配させてしまった方もいるかもしれないが、かろうじて右手の5本の指で生きている。

 

健康診断を受けた話だけで終わってしまっていたので改めて34歳の私の健康診断結果を公開する。これは非常にセンシティブな情報なので、取り扱いに注意してほしいし、こんな身を削って発表する私にいい出来事の1つでも起きてくれないかなと思っている。

 

まずはお決まりの身長体重など、当日に数値がわかるものシリーズ。

 

身長:169.6cm
体重:61.5kg
腹囲:81.0cm

 

身長がまたしても170cmに届かなかった。ほぼほぼ170だし、コンビニ強盗したとしても「犯人は身長170cmくらいの中肉中背」みたいな感じで報道されるだろうし、ちゃんと逮捕されると思う。170ない男は逮捕されないはず。自己紹介で「170・・・ないくらい(小声)」という日々が今年も続くんだろう。猫背O脚改善したら180いくと思うのに。

 

続いては視力、聴力。

 

視力、聴力といった5感に関する項目。5感といっても実際視力と聴力だけ。触覚、味覚、嗅覚はそういえば検査したことない。第六感、シックスセンスなんて映画みたくらい。学生時代に。これは記憶力が鍛えられてる証拠ではある。

 

視力はいつも通り裸眼でトライ。「普段こわくないですか?」と言われる程度の数値をたたき出すが、他人の視線が見えてる方が怖いのでちょうどよい。運転時には眼鏡使用しているので許してほしい。聴力は流行りのハコカラみたいなブースで音が聞こえたらボタンを押すだけ、問題のない早押し大会みたいなやつで問題はなかった。

 

ここまでは健康診断したその場で結果が分かるものシリーズであった。久しぶりなので診断書が届くまでわからないシリーズは次の機会にしようと思う。

 

きれいな数字出てるだろ。死にかけてるんだぜ、中は。

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【第2類医薬品】ナイシトール85a 280錠

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初めてのバリウム検査-胃部レントゲンを受けただけなのに

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健康診断の結果がやってきた。かれこれ1か月以上前にだ。健康診断をうけたのはもう2か月近く前になる。薄い記憶を頼りにすることになるが、このブログにタイトルが「30からやってみた」という、私も今の今まで忘れていたタイトルなので、初めての経験と健康診断の結果を振り返ろう。

 

健康診断のメニューは所属する会社や保険によってさまざまなようだ。私も会社が変わったり保険が切り替わったりで数パターンの健康診断を経験している。何も変わってないのに診断の場所やメニューが変わることもあるのはたぶん担当の気まぐれである。

 

どこで診断を受けるにしたって、内容はせいぜい身長体重(数年前から腹囲も)といった外的スペック、視力聴力などの身体(内部)能力、尿検査、血液検査での液体性能、レントゲンではかる胸のドキドキをはかるくらいなものである。噂によると加齢によりコースが追加されたり、当たり年(40、50歳)だとボーナスステージがあるは、最終的には課金によって車検なみのフルスペック検査をすることもできるらしい。

 

自分は今年35歳になる年齢なのだけれど、初めてバリウムを経験した。世間一般にまずいもの、きついもの、ゲップしちゃいけないもの(マナーが悪い)と言われて名高いバリウム検査である。知らない人のために胃を痛めながら言うと、バリウムは飲み物である。白い飲み物である。白い飲み物と聞いて、カルピスのような味を想像した人もいるだろう、下手な下ネタを容易に想像した人もいるかもしれない(学生時代行きつけだったカラオケ店店長のオススメドリンクは、「おっちゃんのカルピスサワー」だった)。そんな想像は露ときえ、白い飲み物はもうバリウムというイメージしかなくなる。

 

いかにも動きそうな壁の前に立たされて、最初は得体のしれない顆粒を水で飲まされる。味はしないのだが、こいつらの正体は炭酸(バブを細かく顆粒状にしたものと理解)らしくまず胃を膨らますらしい。さっそくゲップをしたくなるがそこはグッと我慢。35年間我慢とは無縁の人生だった、逃げてばかりの人生だった、ゲップくらい我慢してやろう。それにしてもバリウムの話ばかり聞いていたので、こんな助走があるとは思わなかった。その後すぐにバリウムの出番。紙コップに入ったセメントみたいにドロっとした液体を無心で飲み込む。まずい、というか味がない。セメントを飲んだことはないが、こんな味が本当にしそうである。しかも休むこともできない。これが地獄かと思ったが、休んだらまた一杯スタートすんのかと思うと胃が喉をかっ開いたので、やっとの思いで流し込んだ。

 

流し込んだ瞬間がこの検査の本当の地獄である。紙コップを所定の位置に置くやいなや、活火山のマグマのごとくゲップが喉の奥から準備体操をしている。極限までうんこを我慢してようやくトイレにたどり着いたのに、便器の蓋をあける瞬間が一番肛門が緩むのとまったく同義である。つまりバリウムの猛威はうんこと一緒だった。今ならうんこを漏らした方がましである、そんな迷いさえあったが、私は勝った。一度ゲップを我慢すると、検査技師の女性は隣の部屋からいろいろと指示を出してくる。

 

壁に背を付け左右に体を傾けるような難易度1から、なぜか左右に付属していた手すりを握らされ、まさかの壁がリクライニング、突如としてまな板の鯉、比喩でもなんでもなくまな板の鯉であった。検査技師は私(まな板の鯉)に向かって、直立同様左右を向かせたりする。七五三の写真撮影の気分である。すると、まな板はさらにリクライニングを続け、頭が下を向くような角度にまで達する。手すりをつかんでいなければ頭から真っ逆さまに落ちてdesire、夢中になんてなれない状態で、私が筋トレを重ねる歴戦の猛者でなければすぐさま中森明菜だった。

 

 

Recollection~中森明菜スーパー・ベスト~

Recollection~中森明菜スーパー・ベスト~

 

 

 

まな板は本来のまな板の位置に戻り、再度検査技師は鯉(私)に向かって横に3度転がるような要求をしてきた。魚から犬である。3回回ってワンと言うなんて屈辱の極み、絶対にいうものか(要求されていない)。グッとこらえた私は最終的にワンの代わりにかわいいゲップがでた気がする。

 

それ以降の体勢は覚えていないがもう一度バリウムからということはなかった。診断を終えてしばらくの間口の周りが真っ白だったことに気が付かなかった。魚でも犬でもないが、立派な白いひげを蓄えておった。

 

結果は次回

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今からでも間に合う消費増税を落ち着いて迎える心構え

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ついに消費税が上がった。上がるかもなーって噂は聞いていたが、本当に上がった。ついにあがった。

 

消費税が上がるのかわからなくてついつい更新が滞ってしまった。私はガセ情報を垂れ流すことはできない性である。くだらない嘘や、しょうもない冗談、ジャパニーズジョーク、唐突なフィクションなど、文字を打ち込めば8割は事実と異なる情報を発信し、口を開けばようやく「マ、、、ママ」と発音できる、そんな34歳が私である。しかし人の生活に直結する大きな時代の変化に嘘は付けない。嘘をつくのは消費税を決めた政治家くらいだろう(ブラックジョーク)。

 

炎上という言葉が広まるから野球・宗教・政治の話はご法度と言われていた中、ついうっかり政治に触れてしまった。せっかくなので残り2つにも触れておくと、今年のペナントレースセ・リーグが巨人、パ・リーグが西武の優勝が決まった(ただの事実)、ガリレオ・ガリレイは地動説を唱えて宗教裁判にかけられた(史実)。炎上こわい。

 

いよいよ実際に上がった消費税であるが、10%というインパクトとともに今回話題なのが軽減税率である。飲食料品は8%に据え置くという制度である。店で外食すると10%だが、テイクアウトすると8%になったりとややこしい。定期購読する新聞も8%のままなのだけれど、これはまあ、政治の話になるのでもうやめよう。

 

飲食料品だがアルコールは10%、ぜいたく品だからというような説明だった。一方ノンアルコールは8%、これはアルコールの差が2%以上あるからという理解でいいだろう。ややこしいのが持ち帰りのある料理店や、イートインコーナーのあるコンビニなどである。一部ネットではイートインコーナーのあるコンビニの張り紙が話題になっていたが、明確にルールを決められている状態でないのが現状なのだろう。確かにそこかしこでパニックが巻き起こっている(と思う)(現在9/30)。

 

togetter.com

 

消費増税の度に景気の冷え込みが叫ばれる中、政府が対策として出してきたのが、キャッシュレス支払いにはポイント還元という制度である。来年春ごろまでの期間限定ながら、クレジットカード、電子マネーの支払いに限りポイントで還元するらしい。詳しいことは知らない。現金以外の支払いの場合にポイントって書かれたシールとかくれるんだろうか。シールだったら私はいらない。なくすからだ。

 

このような世紀末ばりの混乱に陥っている(と思う)(現在9/30)消費増税だが、難しく考える必要はない。そもそもの価格、9月までの価格なんて覚えているだろうか?私は覚えている自信がない。さらにいえば、毎回8%でいくらだろうって計算していただろうか。私は計算できない。もともと、いくらのものを買って、いくらの消費税がかかっていたかなど意識していなければ、消費税が勝手にあがろうと気にする必要はない。

 

唯一の不安は、10%ってものすごい計算しやすいこと。私だってすぐ計算できる。できてしまうんである。

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消費税の「軽減税率とインボイス制度」完全解説 (改訂版)

消費税の「軽減税率とインボイス制度」完全解説 (改訂版)

 

 今更である

初めての検便体験

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30代も中盤になると会社の健康診断の検査項目が増える。健保にもよると思うが私は生まれて初めて検便と対峙した。これは私と検便の戦いの歴史である。

 

健康診断は会社指定の病院に行くスタイルの会社に勤めているのため、事前に問診票やら検査キットが送られてきた。あー、尿検査は当日持っていくのねなんて思っていたら、一緒に検便キットが同封されていた。そもそも検便が検査に含まれているなんて知らなかったので、全私が騒然とした。全私が戦慄した。

 

問診票は健康診断1か月前くらいに届いていたので、当日を迎えるまでソワソワして過ごしていた。検診を目前に控えたタイミングでついに検便キットを開ける。中には、説明書、水に浮くうんこ受け取りシート2枚、検便採取キット2個が入っていた。2枚、、、2個、、、予備か。私のように30半ばにして検便童貞というのもこのご時世珍しくないのだろう、検便なんて想像するだけで失敗が目に浮かぶような高難易度の検査である。1回2回の検便素人がおいそれと簡単に収集できるようなものではないのである。

 

説明書に目をやる、診断の前1,2日で2回取って当日提出しろ。まさかのダブル検便であった。結局一度も失敗できないうえに2度もトライしなければならない。最悪同じうんこ(双子!)を2個にわけて提出する作戦も、小さい字で1回目と2回目はなるべく近い間隔でとか書いてあることで露と消えた。同じうんこ(双子)ではダメなのである。当たり前か。

 

いつうんこをとってもいいように検便キットを持ち歩くようになった。とはいえ、早すぎてはうんこが腐るし(そもそも腐ってるみたいなもんだが)、思いもよらぬ病気が見つかりかねない。なんて思っていたら前日になってしまった。もはや後には引けぬ。会社でうんこをとる。健康診断前日、私は確かに、うんこをとるために会社に行っていた。

 

普段であれば朝ひと段落したらうんこして、昼休憩終わりにうんこして、夕方もういっぱつうんこする、そんなのが私のルーティンなのだが、検便に備えて我慢に我慢を重ねる。うんこは圧縮され、固体に近い状態で出てくるだろう。水っぽいより取りやすい気がするからだ。満を持して迎えた検便トライ、1発目で優勝をねらう。便座の中に受け取りシートを敷き、うんこを待ち構える準備を整える。先におしっこを済ませておくと調子がよいぞ。

 

我慢した甲斐があって、もりもりのうんこがでてくる。さて、つまようじのような検査キットにあるつまようじのような棒で先端に付けて収納しようとパンツを下ろした間抜けな姿で立ち上がり便座の中を振り返ってのぞき込む。その瞬間、元気よく音を立てて流れはじめ、私のうんこは便器の奥へと吸い込まれていった。そういえば会社のトイレは手をかざして水洗するタイプではあるが、なぜか座って気張ってるとき、立ち上がってズボンを上げているときに勝手に流れる親切すぎるAI搭載トイレであった。世界一間抜けなお見送りである。

 

絶望に包まれた私は、いつも通りウォシュレットで流してトイレを後にした。後に友人からNOウォシュレットで尻を拭いた先に、うんこを捕まえることができるとアドバイスをもらったが、時すでに流し。渾身のうんこを振り絞った上に、翌日の診断のために食物の摂取を絶っていた私が、当日朝までにどうにかこうにかうんこを用意できたのは1個であった。

 

尿とうんこをカバンに忍ばせて通勤しているとどうにも心が不安定になる。満員電車で、危険物を保持している要注意人物と間違われたらどうしよう。なんかじろじろ見られている気がする。こいつ尿とうんこ持ち歩いてるって目で見られてる。

 

車内で異臭騒ぎを巻き起こすことなく、無事に病院に到着した。正直にうんこが逃げたので1個しか取れませんでしたと伝えたら一週間以内に再提出か、1個だけ検査するのを選べと迫られたので迷わず1個だけで検査してくれと伝えた。もう緊張してうんこするのはいやなんだ。

 

このせいで重大な病気の発見が遅れたりとかしたら、クソが!って言いながら死ぬと思う。

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