山も谷もない30後半Webディレクターの手日記

気が付いたら40の背中が見えるようになってきた、バツイチwebディレクターの仕事にほとんど関係ない、日常のことを綴ったり綴らなかったりするブログ

実録出会えない系

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用事があって繁華街の喫茶店で時間を潰していた。喫茶店と言ってもマックなのだけれど。繁華街のマック。

 

平日の夕方で店内は相応に混雑していた。窓際のカウンターに一席見つけ座る。サラリーマン風の男性と主婦っぽい女性に挟まれる形の席である。ポテトを食べながら駅前をぼんやり見て時間まで過ごそうと思っていたが、隣の女性が突然で電話で会話をしだした。

 

「はじめまして」

 

女の声は鼻にかかるアニメ声だった。何より電話ではじめましてってどういうことだろう、と私の興味を惹いた。盗み聞きは趣味ではないのだけれど、隣なのでどうしても聞こえてしまう。

 

「長電話はできないんです」

 

自分からかけておいてなんなんだ、この予防線は。どんな関係なんだ。その後も会話が続いて行き、得られた情報は「女は東京に出てきたばかりで住んでる繁華街近辺しか知らないこと」「繁華街近辺じゃないといやなこと」「女には旦那がいること(!!)」「旦那は朝9時頃に出勤すること」「土曜日に会うこと」なんてドラマなんだろうか。つまらない私の日常のすぐ横でドラマが、深夜ドラマが繰り広げられようとしている。

 

「それじゃ、土曜日楽しみにしてます、ウフフ」

 

女はジャンケン後のサザエさんみたいな笑いとともに電話を切った。これは世にいう出会い系で、人妻不倫みたいなやつなんだろうか。経験がないのでわからないのだが、土曜日にあうということはテレクラとかではない気がする。上京したてで旦那以外に知り合いがおらず、出会い系に手を出してしまったのだろうか。不審がられるので隣の席に座っている女の顔を覗き込むことはできなかったのが、悔やまれる。いつものマックポテトが心なしかスパイシーだった気がする。

 

さらに女が電話を駆け出して私はわけもなく慌てた。おいおいどんだけ出会っちゃうんだよと、どんだけ寂しいんだよと。慌てつつも2個目のアポイントに向けて、聞き耳を立てる。このまま盗み聞きが趣味になったら泣ける。

 

「さっき、電話しておきましたー」

 

!?

 

土曜日に出会っちゃう約束をしたことを別の人にいきなりカミングアウト。これはそういうプレイなのかな、その方が燃えるのかな、と思ったがどうやら雲行きがあやしい。声も1オクターブくらい低い。「頑なにこの駅しか知らないって言って待ち合わせ場所ここにしました」「旦那にバレるから長電話はできない、ってことになってます」。

 

5分前にドロドロの不倫劇だぜ、フヒヒと思っていた矢先に一気に地面に叩きつけられるような気分。なんなのこれは。出会い系かと思ったら出会えない系だったという結論でいいのか。はたまた、美人局とか事件性のあるやつかもしれない。怖い。東京の繁華街、怖い。

 

「あ、今週末お休みもらいますー、お疲れ様です」

 

一瞬、なんだ!土曜日デートするんじゃないか!と思ったけどそんなわけがない。もはや会う気がないだろう。こりゃ出会えない系である。

 

都内のどこかにいる土曜日デート予定の男性へ。残念ながら、相手はこない。。。バレンタインデーに非常なことを伝えてしまって申し訳ないが、早く前を向いて歩きだしてもらいたい。

 

ちなみに私のバレンタインデーの釣果は病み上がりということもあり、誰も寄ってこなかった。インフルエンザを移してしまっては悪いので、当然の話ではある。

 

気持ち大きめのカバンで出社したんだけども

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