山も谷もない30後半Webディレクターの手日記

気が付いたら40の背中が見えるようになってきた、バツイチwebディレクターの仕事にほとんど関係ない、日常のことを綴ったり綴らなかったりするブログ

初めての一人BAR入門

大人になったら通う馴染みのバーの一つでも持っているものだ。そう思っていた時期が幼い頃の私にもあった。

 

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現在三十路も程々に過ぎ、うまくは行かなかったが結婚も経験した。一人で飲みに行くのはちょっと恥ずかしいけど、みんなと一緒ならチェーンの居酒屋にも臆面なく入れるこんにゃくのプライド、ファミレスでも飲んじゃう子供の頃考えるとあまり近寄りたくない部類の大人。悪くはないし後悔もないが、思い描いていた、行きつけのバーに一人でふらりと立ち寄る大人の男ではない。

そんな私が気になっていた店が近所にある。毎日の通勤の行き帰りで目撃するのだけれど外から見える店内にはカウンターのみ6席程度。満員になることもないがまぁ毎日盛り上がっている。学生時代も社会人でも独特の内輪ノリが苦手でそこに飛び込むのは勇気がいいる。そうやってスクールカースト上位の連中とは自然と距離をとってきた。

そんな私が仕事帰り同僚と軽くいっぱいやって、軽くどころかしこたま飲んで調子に乗ったのが先日。電車のある時間に帰れたのに駅から家までの道すがらいつものバー(以降BARと記す)(かっこいいから)がお客さんがいないのを目撃してしまった。目撃したっていつもどおり素通りすればいいものを、酔って調子に乗っている30過ぎの男が、ああ、さっそうと店に入ってしまった。

ということでここからようやく本題である。一人でBARに行ったときの作法について、私の苦い経験を反面教師として伝えよう。役に立つブログこそが人が来るブログなのであろう。

 

 

最初から一人でいかない方がいい。

あなたは下見や下調べという言葉を聞いたことはあるだろうか。その言葉を知っているだけであなたは私のような失敗をすることはないだろう。

下調べとは、私のように道路から眺めたり、中が覗けるをのいいことに客数をチェックしたりすることではない。きちんと友人などとその店に入りお酒を飲み、お会計をするところまでセットである。間違ってもトランペットが欲しい子供のように外から眺めないように。ただ、ここで一つ問題がある。友人がいない人の場合どうするか。そもそも私の失敗のスタートラインが友人がいないところなので、解決策は今のところみつかっていない。BARで友人を見つけようと思っていたなら申し訳ない、服を買いに行くための服がないように、友人を作るための友人がいないのである、我々は。

好きなものを飲めばいい

BARというとウィスキーじゃないとだめだと思ってる紳士淑女も多いだろう。私もそうだった。しかし、頼まれて困るようなものをメニューに書くなんてバカがいるだろうか。私はそうは思わない。だって、迷惑だもん。

そして私はコロナを注文した。瓶のビールである。カットしたレモンだかライムだかが飲みくちに添えられていた。ああ、なんてアメリカン。ただ、これはBARというよりクラブ(アクセントはブ)っぽいなと飲む時思った。DJとかいるような、あんな感じと勘違いしてないかと思われてたと思う。

酔っ払って店員、客に迷惑をかけない

大前提。私が店に入った時に客はいなかった。週の真ん中だったし、BARはいつでもワイワイガヤガヤしているような店ではないのである。余談になるが私がある程度経験があるBARは俗にいうゲイバーといわれるところで、まぁいい大人がよくここまで飲んで飲まれてできるなと思うくらい低俗な飲み方しか知らない。マスターと1vs1で何したらいいかわからない。

飲み物とお通し的なナッツを提供された後、マスターは沈黙。いいか、BARというのはおとなしく黙々とそしてチビチビとウィスキーを飲む場所なんだ。今となってはそう思う。そういう雰囲気だった。わかってた。でも酔って調子に乗っていた私は、いらんことをペラペラと喋りだした。

「最近引っ越してきたばっかりなんですよ」
「飲みに行くところがない」
「まじ住みやすい」

とかなんとか言ってた気がする。私が飲食店のアルバイトをしているときにこんなに話しかけてくるやつがいたら塩撒いて追い返してやりたい気持ちをぐっとこらえて気持ち悪い笑いを浮かべるだけである。しかしさすがは百戦錬磨のマスター、面倒くさい客の扱いにも慣れているのだろう、当たり障りも嫌味も全く感じさせない会話で私を右から左に受け流していた。

さらに常連らしき男性が一人やってくる。男性は慣れたものでウィスキーを銘柄で注文してロックで頂いていた。調子にのっていた私はその客にまで話しかける。

「最近引っ越してきたばっかりなんですよ」
「飲みに行くところがない」
「まじ住みやすい」

どこかで聞いた話をするのは酔っぱらいの特権である。常連も私のことを適当にあしらってくれていた。マスターと(何コイツ)みたいなアイコンタクトをとったあたりで、ふと、私ってばすげー面倒くさいやつなんじゃと思った瞬間、そそくさとお会計をして店を後にした。

これが私の一人BARデビュー。ウィスキーのように苦かった(ウィスキーって苦いのかわからないけど)。そして帰り道で少しだけ泣いた、32の夜。

 

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