思春期に陰毛がなかなか生えてこないと父親に相談した話
父親に思春期特有の悩みを相談していたというのは以前書いたとおりである。
今回は陰毛の話になる。
私は中学入学時点で身長150cm未満での小さい少年だった。「前ならへ」では高確率で腰に手を当てるタイプの人間であった。
そこからグングン成長期がやってきて、ということもなく現在自称170cm(くらい)の平々凡々、中肉中背、何の面白みもない30代男性である。
中学生は大きなイベント(林間学校に修学旅行など)、同級生と寝食をともにするイベントが盛り沢山である。
中学1年なんて、身長のばらつき以上に局部の成長にばらつきがあって当然なのだが、林間学校でクラスメイトの股間を目の当たりにしてショックを受けたのを覚えている。
局部の成長の差としては大きく2点ある。
毛が生えているかどうかと、剥けていいるかどうかである。
まず、毛、陰毛について。私の記憶が確かならば、陰毛はだいたい脇毛と成長をともにしていたきがする。産毛が生えてるなーと思ったら徐々に太く、黒く、長くなっていくものである。赤ちゃんの髪の毛みたい。
人間の体毛の一番汚れていそうな部分を一番清いものに例えてしまって申し訳ないが、観察日記をつけるとするとそうコメントするのが最適である。
次に剥けているかどうか。日本人の7割が仮性包茎という都市伝説を心の拠り所にしている男子中学生にとってズル剥けは憧れである。これがもう少し子供である場合、揶揄する対象であるからおもしろい。
宗教上の理由などで両親が判断し新生児の時点で切除した場合、子供のうちは「ムケチン」なんてあだ名で呼ばれることもあるが、成長するにしたがって大きな勲章になる。この皮についても徐々に剥けていくのだろうが、経験がないのでよくわからない。
ある日突然ドン!とワンピースの効果音とともに剥けるというのは考えづらい。
朝顔よりももっと時間をかけてゆっくりと成長するため、個人差がすさまじい。
林間学校の大きな風呂で、男子中学生たちの自分の陰部に対する動作は実に千差万別である。
頑なにタオルで隠し、湯船にまでタオルを入れるもの。湯船に入れて怒られるもの。股の間に挟み込んで本丸だけは守ろうとするもの。タオルを忘れたのかモジモジするもの。銭湯のじじいのように堂々としているもの。
風呂に入るだけなのに、なんでこうも違いがあるのかわからないが、成長が早いやつの方が以外に隠したりするのが中学生だった。
しかしクラスで一番体の大きい林は成長が早いなどの次元を越えていた。完成形と形容するしかないソレを堂々とぶら下げながら悠々と大浴場を闊歩する。知らない仲ではないのに、心なしかみなが道をあけていた。
林間学校の出来事がトラウマとなり、自分はなんて(股間が)子供なんだろうと頭を抱えた。当時陰毛も脇毛も生えていない私は父親に相談した。もじゃもじゃな同級生がいるのに私はまだ芽すら出ていないと。
父親は「まだ身長も成長するということ。股間が完全体になったら、それは身長含めて大人、それ以上大きくならないってことだ」と金言をもらった。
それを心の拠り所として股間の成長を観察し続けた結果、身長も毛も少しづつ成長して大人になっていった。今では身長は止まり、視力や筋力の衰えなど老化を感じるまでになっている。
皮はまだ動かざること山の如しなんだけど。お前一人でピーターパン症候群かよ。