何も信じられない!「LIAR GAME」レビュー

 

この間『LIAR GAME』という漫画を読んだ。連載時期は結構昔だが、ドラマ化映画化されたので知っている人も多いだろう。連載開始当初はヤンジャンを買っている人間が近くにいたので読んでいたが、途中で一人暮らしを始めたりでヤンジャンと距離をとったためそれきりになっていた。ドラマも映画もそこまで興味がなくて見ようと思わなかった。

 

 

とりあえず、ものすごく極めてとても簡単にあらすじを話すと、「勝手に大金を押し付けられて同じ境遇の人たちと騙し合いのゲームをする」物語である。負けたら負債をおい、勝っても次のステージに強制参加させられる、どうしても抜けたければ勝ち金額の半額を払ってドロップアウトするという、行くも地獄負けるも地獄抜けるも地獄という地獄の漫画である。あと、絵がそんなうまくないのも人によっては地獄かもしれない。

 


騙し合いのゲームは相手から1億円奪うというかなりストレートなものから椅子取りゲームとかロシアンルーレットまでバリエーション豊富である。主人公であるバカ正直な神崎直が天才詐欺師秋山深一と協力してゲームを勝ち抜いていく頭脳サスペンスである。そんなジャンルがあるのか知らないけど。

 

 

いわゆるレビューというもののセンスと才能が皆無なことは自覚しているのだが、最近の通勤時間の実績(ちゃんとお金を払って見ている動画や漫画)を披露する場がないので、勝手ながらこうしてレビューをしていく。ネタバレになるようなことは極力ないとは思うが、もし万が一これはネタバレだ!と感じてしまったら紹介してるamazonの紹介リンクから商品を購入して正解を確かめてもらえばいいと思う。そして私には紹介料が入るということでwin-winの関係が出来上がる。これは「ライアーゲーム、騙し合いのゲームだ」

 

 

一回戦はマネー奪い合いゲームという、一対一の勝負である。まあそれだけ。
二回戦は少数決ゲーム、敗者復活戦で密輸ゲーム、・・・どれもこれも手に汗握る非常にスリリングな展開で面白い。が、途中である変化が起きる。

 

まずひとつがライアーゲーム事務局の人間がお笑い要員になるのである。仮面をつけた事務局員は常に冷静沈着で参加者が文句を言っても黙らせ進行させる、カイジで言うところの利根川のような役割である。(ちなみにこの漫画をレビューする上でカイジを例に出すのは非常に悪手である)事務局員はディーラーとして進行することもあるが、ある時からバックヤードのモニターで観戦するメンバーも現れる。

 

ディーラーをやってるときはまだいい。ゲームによってディーラーが入れ替わることもある。ゲームが進むに連れてモニター見学者が増えるとキャラを立たせるためか、状況を説明させるためかプレイヤーよりもバカなんじゃないかって状況になる。特にフォルリがいい。

 

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冷静にゲームを進行するディーラーのはずが、気がつけば一番読者に近い位置にいる。人の心に入り込むのがウマすぎる。そして、ともすれば難しくなりがちな対戦の攻防についても説明してくれる。読者と一緒に騙されてくれる。みんなの心の中にフォルリはいるよ。

 

 

そしてアルサブ。

こいつは仮面が素顔なんじゃないかってくらい冷たい。冷たいっていっても頭がいい冷静ってわけじゃなく、何にそんな不満を持って生まれてきたんだって感じで冷たい。最終的に上司に怒られるところが唯一の人間らしさかもしれない。

 

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そんなディーラーの紹介とならんで気になった変化が、途中から参加者にあだ名をつけはじめたことだ。フォルリとアルサブがディーラーのときに個々を判別しやすくするためのコードネームと言って勝手につけた。コードネームってもっとかっこいいものだと思うんだけど、この漫画は完全にあだ名、もっというとただの悪口も多い。

 

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悪口の典型的なパターン、小学校低学年が浅慮に口にする代表格「ハゲ」「デブ」。作者はこのタイミングで嫌なことでもあったのだろうか。これでは道徳の教科書には絶対に載れない。基本的には身につけている衣服や髪型などで決められやすいのだが、「ネズミ」というあだ名もいる。これは人ですらない。余談だが核心にふれると、この「ネズミ」かなりのやり手で主人公たちの強力なライバルである。さすが夢の国の主といったところか。

 

主人公の神崎直について「紅一点」となっている。このグループに女性が一人しかいないからなのだが、別会場でやっている方には女性もいるのにどうするのだろうと思ったが、主人公だけあってコードネームで呼ばれることは殆どなかった。作者もきっとわすれてるのだろう。
このブロッグ最後が、もうひとりの主人公秋山シンイチだが、彼は「前科者」だった。初対面の人間ばかりが集まって戦う、しかも「騙し合いのゲーム」に「前科者」がいたら誰だって警戒するだろう。誰も話を聞いてくれないだろう。そんな問題も主人公補正で全く意に介さない。ここも作者が秋山が前科者だったことを忘れている。

 

もう一方のブロックは割とまともである。

 

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ぱっと見一番目立つのが目つきの悪い女性だが、彼女は「ニューハーフ」である。ここまで読んでいる読者であれば全然違和感はないのだが、やはり初めてあった参加者は女性と思うだろう。このフクナガ本人も女に思われたほうが何かと都合がいいと作中言っているのだが、そんな思惑どこ吹く風、カミングアウトと呼ぶにはあまりに軽いノリで周知している。


もうひとり可哀想なのは「中年フリーター」だ。これも言わなければ誰もわかんないし、大きなお世話である。数年後の自分のあだ名にならないようにと思いながら読み進めたが、感情移入するどころかセリフもほぼなかったので安心して読んでほしい。

 

こんなようなメンバーとゲームを戦って勝ち抜いて物語がすすんでいく。頭脳戦でどんでん返しにつぐどんでん返し、出し抜いた参加者はほぼ必ず高笑いをして得意げにその裏側を暴露してくれる。仮面のモニター見学組が代わりに解説することもある。読者としてはなるほどー、と思いつつ主人公サイドの逆転勝利にほっと胸をなでおろすんだと思うが、さっぱり理解できない。

 

これがこの漫画の一番の感想なのだが、種明かしされても頭の中には「?」が浮かんでいることが多い。サッカー漫画を読んでもサッカーがうまくならなかったように、ヒカルの碁を読んでも碁が打てるようにならなかったように、ライアーゲームを読んでも、私は嘘つきにはなれなかった。根っからの正直者だからね。

 

 

 

 

これはライアーゲーム、騙し合いのゲームよ

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