夏の思い出(ダイジェスト)
気が付けば9月に入っていて、天気も悪くなって、気温も下がって、秋めいてきた。こんなご時世で夏休みを延長するしないとか話題になっていたので、まだ夏休みの宿題を出さなくて済んでいる運のいい子供もいるのかもしれない。私は夏休みの宿題は二学期が始まってから手を付け、提出タイミングが伸ばせそうなものは最大限伸ばして生きてきた。
そんな私の今年の夏の思い出を絵日記風に振り返っておこうと思う。
娘といったプール 7月某日 晴れ(灼熱)
2年ぶりに娘とプールに出かけた。去年はご時世的に開いていなかったプールだったが、今年は一部開放されていて夏の始まりに訪れた。完全予約制ではあったが、予約人数は果たして本当に妥当なのだろうかと思う程度には混雑していた。
そんな中上の画像のような円柱を横に倒して水に浮かべているアトラクションがあり、娘が希望したのでこれに乗ってきた。浮いている簡易プールは5メートル四方程度の小さなもので、その中に2本の円柱風船である。これが10分転がし放題。
人気アトラクションらしく長蛇の列。希望者は受付して並ばないといけないシステム。この令和とこの猛暑の時代に屋根のない照り返しの激しいプールサイドに小さい子供から、干からびそうなおじいちゃんまで、並ばせるという鬼畜の所業。誰か代表者だけ並んでいればよさそうな雰囲気ではあるが、私は娘と二人きり。娘だけ並ばせて自分はテントでゆっくりするのはサイコパスマスオみたいだし、自分だけ並んでいて娘をテントないしプールで一人で遊ばせておくのは、きっと後から元妻に烈火のごとく怒られるのは明らか。娘に申し訳ないと思いつつ二人で待ち続けた。
幸い凍った麦茶を持参していたので、娘は麦茶を溶かして遊んだり、溶けては飲んだりして体調も精神も維持していた。そんな娘は私にほとんど麦茶をくれないのでなんだかぼーっとしちゃった。これが熱中症なんだろうか。まつこと40分くらいでようやくアトラクション。
未就学児の娘が一人でやるにはあまり動かないアトラクションだと思ったので40手前の熱中症予備軍の中年が一緒に入ったのだが、これがもうきつかった。バルーンの中をハムスターの回し車みたいな要領で走ることで回転させる、それだけのアトラクションである。何が楽しいのかわからないが、娘は楽しそうにハムスターになっている。未就学児でも十分に回転させている。こちらは目が回る、そしてめちゃくちゃ暑い。
地獄の10分、耐えきった。隣のハムスターは俄然元気になって次のプールへと、当方グロッキーな中年は目を離さないようにしなければと(胃から)こみあげてくるものを抑えつつプールを満喫した。唯一の夏らしい思い出。
消え去ったぬくもり 8月某日 夜
お値段異常(!?)でおなじみみんな大好きニトリのNクール。いわゆる接触冷感寝具。私は敷パッドを愛用しているのだが、これが非常にいい。すごいいい。ひんやりするのはもちろんなんだけど、それ以上に感触がいい。シルクみたいな感触というか、ツルツルしてるのである。ひんやりするのはもはやおまけで、ツルツルの布の上に寝れるというのが最大のメリットであると言っても差し支えない。
そんなツルツル敷パッド(ニトリには改名を勧める)だが、ある時違和感に気が付いた。敷パッドの下方が毛玉だらけなのである。一体だれが、何の目的で。自分の不在時を狙ってツルパッド(略称も決まった)の下方のみに毛玉を発生させるタイプの泥棒でも入ってきたのか。
考えつつ横になった私は足を伸ばす。気持ちいいい感触と同時に、足と地面の違和感を感じる。足を動かすたびにシルク(もはや素材も進化した)が付いてくるのだ。ツルツルした感触が好きなのであって、いつも私についてきてほしいわけではない。あくまでツルツルとしたいい距離感でいたかったのに、お前はなぜかこっちについてくるようになってしまった。そうなると気持ちは冷めていくのも早いのだが、そいういう意味のNクール(商品名に戻った)ではないだろう。
この夏のさなか、私の足はカッサカサになり、かかとは地割れを起こし、老化は足先から忍び寄った。そんな夏の思い出。2つしかなかった。
大人の夏休みなんてこんなもんだろ