山も谷もない30後半Webディレクターの手日記

気が付いたら40の背中が見えるようになってきた、バツイチwebディレクターの仕事にほとんど関係ない、日常のことを綴ったり綴らなかったりするブログ

痩せてやつれてマジ感謝

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久しぶりに会う人が口々に痩せた?と言ってくる。当人にそんな自覚はなく、ジムもサボりがち、尿酸値なんてどこ吹く風でビールを飲んでいる。

 

確かに最大65キロ以上あった体重もいつの間にか60キロになっている。ちなみに身長は170cm(・・・ないくらい)である。ベストコンディションの体重がどのくらいなのか、自分では今一つ理解していないが、65キロあった時は体のキレも悪く駅の階段を上っただけで息が上がっていたような気もする。おかげさまで現在は体のキレは若干よくなったかもしれないが、尿切れが悪い。駅の階段は上っても下っても汗まみれになっている。梅雨である。

 

そもそも自分に一切興味がない会社の人が気づく私の変化というと、ダイエット成功のようなポジティブな減量ではなく、パーソナルトレーニングジムのビフォーアフター的な痩せたではなく、やつれた、こけたという意味合いなのではないか。確かに実家を飛び出し一人暮らしを始めて半年以上、自炊もせず、朝食はとらず、ファーストフードと飲み会の毎日。健康的な生活と少量のお金で不健康な肉体を買ってる。なんだ、私はセレブか。

 

先日久しぶりに家族に会った。職場の赤の他人よりは多少なりとも私に興味がありそうなものであるが、全然そんなことはなく、やせただのこけただのの感想すらなかった。トークは弟夫婦に新たに誕生した次男のことでもちきりだった。嫁子供の話になると私はいつもの3倍はしゃべらなくなるので、1時間に一言つぶやく程度になった。普段は20分に一言、ちょっとした動物園の動物である。twitterに至っては数日に一言、場合によっては一ヶ月くらい平気で無口になる。ブログも。

 

話がそれたが、家族は私に興味がないのか孫がかわいいのかわからないが外見の変化を指摘してこなかった。ポジティブにとらえると、家族に前回あって以来(正月とかだろうか)、私は急速に増量し、職場の身近ではない人に目撃され、急速にしぼんで元通りになったところで職場の人や家族に会ったのかもしれない。が、私はロバート・デ・ニーロ鈴木亮平のような変幻自在な俳優ではなく、ある程度決まった体型を維持すべき一介のサラリーマンである。冠婚葬祭の度にスーツがきつくて涙を流すような人生は送りたくない。

 

平日になり数日たった頃、実家から野菜ジュースがサイレントで届く。泣けた。やっぱり私やつれてたようだ。

 

親ってありがたいとはちゃんと思っているので安心してほしい。

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カゴメ 野菜一日 これ一本 200ml×24本

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サウナから天国に行きかけた話

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家族旅行で温泉に行ってきた。30を過ぎた出戻り中年息子に、嫁が里帰り育児中で羽を伸ばしている息子が母親の還暦を祝うために旅行に行った。今まででは考えられない親孝行である。すべては弟の嫁の入れ知恵である。

 

大浴場には合計3回も入るくらい私は気にいったのだが、特にサウナがよかった。ほかにすることがないから風呂に行ったという意見も否めないが、そんな混雑もしておらず、水風呂も露天風呂とその周りの外気に当たれるスペースと完ぺきな設備設定だった。整う準備万全である。とはいえ大型サウナではないので、最近常識になりつつあるサウナ内テレビはなかった。過去にサウナ内テレビのチャンネル争いについて語ったが、今回はそんな不安は無用である。

 

kimura-evkitty.hatenablog.com

 

テレビのあるサウナなんかだとデジタルの時計があったりするが、そこにあるのは昔ながらの12分計だった。短針が一周すると12分、長針は一周1分。あなたの腕についていたり、チャイムが定期的になる学校の時計みたいなやつと見た目は変わらないが、刻む時間の速さが60倍である。時間が操られてしまっている。もはや何を言ってるのかわからない。

 

テレビがないのでサウナですることがない。そうするとおのずと考え事をしたり時計を見つめるしかすることがなくなる。この時いやらしい妄想をしてしまうと丸出しの下半身が自己主張し始めてしまうので注意が必要である。サウナ内外にいるおっさんのキンタマ袋なんかをみて皴の数を数えるなどで対応しよう。私はそこではじっと目の前の12分計を見つめていた。

 

12分計の長針は1秒に1目盛り動くことになっているのだが、カチッカチッと1秒ごとに刻むタイプではなくスムーズに目盛りを通過していくタイプ。寝室の時計の秒針はこういうタイプじゃないと気になって夜も眠れないだろうなあと思いながら時計を見つめていたら長針の様子がおかしい。動いてはいるのだが、酔っぱらっている。てっぺん(12時)を過ぎてしばらくは順調なのだが、突然の千鳥足。その後3時を過ぎたあたりで急なスピードアップ。スムーズに動くタイプのくせしてカチッカチッって音がしそうな足取りが力強くなることもある。戻ることがないことだけが唯一の救いである。

 

気が付くと、秒数を頭の中でカウントしていた。この酔っ払いは酔っぱらいつつも必ず自分の家に帰って翌日は会社に出かける。その姿に自分を重ねていたのかもしれない。終わりよければすべてよしという言葉があるように、60秒できちんと家(てっぺん)に戻ってきているのであれば、大きな損害はない。私の心のカウントはどこ吹く風、15秒経過時点で11秒付近にいる。しかしここからサニブラウンのような加速を見せるので挽回するだろう。25秒経過したあたりで完全に逆転した。私の心の数字を遠い過去のものとするように、差をどんどん広げにかかる。

 

とはいえ、私のカウントも正確なわけはない。時計の様子をみて時計に合わせにいく気持ちがなかったとも言い切れない。それを忖度と言われれば否定のしようがないので、私は総理大臣をあきらめた、もとい60秒数えるのをあきらめた。

 

その後サウナーにとっての儀式である水風呂に向かう。といってもそのまま子供のように水風呂に飛び込むわけはなく、桶で水をすくい全身の汗を流してから水風呂に入るタイプである、私は。そう思っていたのに、水風呂近辺に幼女が一人でうろついている。どこだ保護者は。目を離すんじゃない。私の場合なんか、娘になにかあったら何言われるかわかったものではないので常に娘に目を付けているぞ。シール感覚で顔から取り出して張り付けてるぞ。

 

とはいえ、近づくと何言われるか危ないご時世なのでシャワーブースで汗を流し、水風呂が空いた頃合いを見計らって入水。五臓六腑に染み渡る。すると先ほどの幼女が再び短期出撃。ここをプールと勘違いしているのかのはしゃぎっぷりだ。目を合わせたらやられる、そんな思いで私は壁のタイルを眺めてやり過ごしてなんとか事なきを得た。

 

その後一転ものすっごいおっさんが近づいてきて「これ水風呂かい、かぁ~、すげえ」って言いながら指で温度を確かめて去っていった。あまりに一瞬の出来事過ぎて何も反応できなかった。高速道路でF1の車に抜かれたみたいな感じだった。捕まるけど。

 

その後露天風呂の脇で風にあたって整って天国気分で大浴場を後にする。

 

ホテルの最上階にあった大浴場から部屋に戻る下りのエレベーター、先に乗っていたら水風呂のおっさんも来たので乗るかと思ったら「上いかない?」って言われたのでどこに向かおうとしてるのかわからないが、下にいくと告げて扉を閉めた。エレベーターが動く前に再度扉が開く。「間違えた、ここ一番上だった。上行ったら天国行っちゃうわ」と笑いながら照れ隠しに私の肩をバシバシしていた。天国に近いおっさんだなと思った。

 

サウナっていいですね

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老化に気づかされる将来の絶望

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老化がとまらない。生え際が後退しているという指摘に対して、私が前進しているのだとソフトバンク孫正義は語った。私も老化しているのではなく成長している、そう言えればいいのだが、20を超えた男の成長は確実に死へのステップでしかない。

 

白髪が生えてくる。生えてくるといっても見た目に白いほどではないのだが、たまに白髪がまじる。別に初めてというわけではないが、その頻度が多くなってきている。若かりし頃、後先考えずに茶髪、金髪に染めていたヤンチャ坊主だった。将来の限りある資源と遺伝について考えだし二十歳すぎてからは染毛していないが、時たま突然変異のように白い毛が混じることがあった。絶妙な光の加減でそう見えているだけのこともあった。年に数本、本物の白髪を発見しては抜いていた。

 

白髪を見つけた時の対処として抜くのは正解でないのかもしれないが、ついつい手が伸びてしまう。実際に毛髪を抜くのは髪の毛の長さによってもかわってくるが技術的にも精神的にも苦痛が伴う。長いと抜きやすいがその1本だけを見事につかむまでに相当な技術が必要となる。鏡の前で試行錯誤するのは根気がいるし、老眼にはこたえる。こんなところでも老いを感じるなんて。そして何より自ら毛を抜くという動作がもはや意味が分からない。将来の残り本数を気にしていた人間が何を考えて自分で好き好んで毛を抜くと思うだろうか。顔で笑って心で泣いて、そんな状態で僕は毛を抜いている。餓死寸前の森で目の前に突然現れた、弱ったウサギを手当てして逃がすような所業ではなかろうか。

 

白髪が生えるメカニズムなどは理解していないし、調べる必要すら感じていないのだが、生える頻度が短くなり、そのたびに断腸の思いで抜いていたら、きっとどんどん毛が抜けていく。追い打ちをかけるように白髪の原因がストレスなのだとしたら白髪が増えるストレスに加え、白髪のおかげで抜かれ減っていく髪の毛に対するストレスで白髪の進行はますます進む。白髪スパイラル、ハゲスパイラルとでも呼ぼうか。

 

私が一体全体過去にどんな過ちを犯したのだろう。とんでもない業を背負って、私は生きている。

 

実は肌も劣化が激しいのでそれは次回

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体を鍛えて母性に目覚める

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2か月ぶりにジムに行った。何度か書いていると思うが、キックボクシングメインのジムに通うようになってかれこれ半年だが、行った回数でいうとまだ10回とかである。そして平気で2か月とか足が遠のく。毎月8,000円だけがボクシングジムへ飛んで行っている。蝶のように舞ってる。

 

いい加減自分の体のだらしなさと懐の不甲斐なさから久しぶりに思い立ち、2か月ぶりにジムの門を叩いた。友人に紹介されて入ったジムだが、一人ではものすごい行きづらいのが足が遠のく原因だろう、ジム独特の常連オーラが私をボコボコに殴ってくる。

 

私が通っているジムはよくあるスポーツジムと違い、毎時間学校の時間割のようにコマ割があって、難易度と講師が時間によって変わるスタジオレッスンが主である。なるべく優しめのカリキュラムで、なるべく厳しくない講師を選んで通うようにしているのだが、講師の代行などでスパルタ講師に当たったりすると、死んだ魚の目でサンドバッグを叩き続けるような時間を過ごす。

 

同じように通う時間を選ぶ人が多いため、選択と集中により生徒の数にも差が出る。生徒が多くて常連と講師のなれ合いもいやだが、少なくてほぼマンツーマンで指導されるのもしんどい。贅沢な生徒と思うかもしれないが、ケアしてくれないと私はどんどん通わなくなるぞ。

 

ハッ!それが狙いか。

 

そんな血反吐が出るような思いをして参加したレッスン。思いのほか人が多い。しかも女性の方が多い。カップルも2組いる。昨今の健康志向の流れか、護身術の一派か、女性も多いのがこのジムの特徴である。紹介された当初はおいおい、何目的だよ、と友人を訝しんだりしていたが、そんな下心も一瞬で吹っ飛ぶほど、圧倒的に、強い女性が多い。同じメニューをやった休憩時間、涼しい顔で水分補給する女性に対して地面に突っ伏す私。スラムダンクのメガネ君みたいになっている。

 

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それでもなんとかメニューをこなし、どうやら入門したての後輩男性とペアを組んでミットうちなどに精を出して久々のキックボクシングは幕を閉じた。思わぬ後輩に少し気が楽にはなったが、講師はスパルタといたずらでおなじみの人だったので、体への負荷はなかなかのものだった。後輩男性とちょっと世間話などをしてすがすがしい気分でジムを出た。

 

翌日、案の定全身を筋肉痛が襲う。ただ、筋肉痛に襲われるだけで体が一回りたくましくなった気がするから不思議だ。ひたすら腹筋やスクワットを繰り返すだけのジムよりも何かアクションを伴うので格闘技は続けられると思う。2か月ぶりだったけど。今回はお尻、太もも、背中、腕、おっぱいと全身くまなく筋肉痛となった。そう、おっぱい。

 

おっぱいがすごい張ってる。筋肉痛自体数日間続くので、その間、私は自分のおっぱいを触っては、その張りを楽しんでいた。聞いた話では、女性もツキイチのあの時期の前後にそういう現象が起きると聞いている。聞いただけなのでどっちとか感触とかは知らない。ぜひ詳細を知りたいのだが。

 

そんなおっぱいの張りも筋肉痛と同じく長くは続かなかった。体が軽くなると同時におっぱいのはりが消え去った。筋肉痛がなくなるのはうれしいのに、おっぱいの張りがなくなるのはさみしかった。今触ってみても、私のおっぱいはいつも通りのだるんだるん、先っちょについてる乳首だけが触るとちょっと気持ちいいくらいである。

 

ついにジムに行く理由が見つかった気がする。なくなったおっぱいを取り戻しに私は今日もジムに行く。

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やってら令和

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さよなら平成。よろしく令和。

 

改元から半月以上もたってようやく目覚めたかと思ったら仕事してた。10連休。未曽有の大型連休、特筆すべきようなロマンスもラビリンスもないまま終えた、10連休。連休明けは相変わらず仕事にならない、会社の片隅で時折配給されるお土産を食しては勝手にランキングを作成する、そんなことをして5月はしのいでいる。昔に比べて甘いものがありがたいと思うような年になった。

 

とはいえ新時代。私も役に立つTIPSや大人が通う隠れ家フレンチのおすすめメニューとか紹介したい。10連休どころかブログにいたっては1か月以上放置しておいてなんだが、令和の私は役に立つ情報を届けて検索されたい。話題のドラマ、期待の映画をいち早くお届けしてLiLiCoとかピーコとか呼ばれたい。そんなことはない。

 

とはいえ、1か月半もの長い間沈黙を保っていた私が何をやっていたか気になる人も大勢いることだろう。役立ち情報を垂れ流す有益ブロガーの素顔と更新してない間の謎に包まれた私生活を先に公開しておくほうが情報の受け取り側にしてみても親切だろうと思うので、今回は断腸の思いで役にも薬にもならない無駄な話をする。断腸すぎる。

 

世間的には出会いと別れの春、私は3月はじまりの手帳を購入した。前回使っていた手帳が終わった年末、いつでも買えると思っていた手帳は1月にはすべて3月はじまりに取って代わられていた。1月はじまりの手帳を1月後半に買いに行くような人間が1年間手帳をつけ続けられるわけがないということだろうか。しかし、昨年手帳を使い、思いのほか役に立ったので今年もと思い購入した。購入したきり3月を待った。1月はじまりの手帳は12月のフライングゾーンがあるくせに3月はじまりはフライングゾーンはない。これで同じ価格なのはおかしいとおもうのだが、残念ながら私は1月はじまりの手帳の価格を知らない。

 

このまま3月を迎えても手帳をひらかず使わなかったというおっちょこちょいな私を想像された方がいたら申し訳ない、私はすべてにおいて学習する男である。そしてお金を持っていない人間である。なので3月になった瞬間から手帳に予定という予定を書き込み始めた(主に毎週欠かさず見るテレビ番組を)。

 

前置きが長くなったが、そんな手帳を眺めることで更新のなかった間に何をやっていたか思い出せた。3月、酒に溺れていた。多くはない部下が日替わりのごとく退職する旨を伝えてきた。昨今話題の退職代行などを使われないだけましなのかもしれないが、晴れやかな顔して報告にきた。誰も(表立って)私や会社の不満をぶちまけていったり、翌日から来ないということもなく、きちんと引継ぎをしてやめていったのでマシなのかもしれないが、何が起きてるのこのチームって状況だった。

 

そんなこんなで酒に溺れた。公式非公式、規模の大小の違いがある歓送迎会に出ていたのも原因かもしれない。(適度にしか)飲めない酒を浴び、寝坊して遅刻をする。そんな私を軽蔑した目でみる部下が退職報告にくる。そんな春だった。4月には新入社員も入ってきたらしい。私の近くには来ることはないが、こんな思いをするなら来てもらわない方がありがたい。一回りも年下になにをおびえているのだろう。

 

傷心のまま10連休に突入。平成の仕事納めはまたしても酒に溺れ、連休初日は東京→埼玉→神奈川→埼玉から地元群馬へと電車好きにもほどがある行動力を発揮した。それ以降の連休中の記憶はない。

 

連休直前までバタバタしていたので、ひょっとしたら私の部下が戻ってるとかいうこともなく、思いのほか普通に業務が再開した。残ったのは寝すぎての腰痛とリーダー失格の烙印だけである。そんなわけでいろいろあきらめて有益な情報を今後発信していこう。キムラ、定時で帰ります。スタートである。

 

録画だけしてドラマはまだ見れていない。

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時間が平等なんて誰が言った

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時間はすべての人間に平等に与えられた財産である。これは私が今考えた名言だが、多分どっかの誰かがすでに同じようなことを言っている気がする。検索すれば1,000万件はHITするし、近所の銭湯でチンチン丸出しの下品な爺さんだって言いそうなことである。銭湯でチンチン丸出しは決して下品ではなく、むしろマナーである。

 

そんな平等なはずの時間が平等でない体験をしたので共有する。断っておくがチンチン丸出しの話をしたかったわけではない。

 

社会人になり、初めて自分で全自動洗濯機を回してから早10年。流行りのドラム式ではないが、器用に汚れを落としてすすぎ脱水もしてくれる全自動洗濯機。紆余曲折を経て昨秋の家出の際に新たに購入したよくわからないブランドの洗濯機。リサイクルショップにいたこいつに一目ぼれ(主に価格)して我が家に呼んだ。リサイクルショップにいながら新品・未使用という、パンツ履いた状態で産まれてきた赤ん坊のような存在だった。

 

新品・未使用の名に恥じぬ、堂々たる洗いっぷりに満足していた。たまに脱水に集中するあまりうるさいこともあったが、まじめなやつめとそこも含めて愛おしいと思っていた。

 

全自動洗濯機の使い方として基本的には洗濯物を放り込む。一人暮らしだとあらかじめ使用済みのパンツなどの洗濯物は洗濯機に入れておく文化もあるだろう。そのうえで電源と起動を押すと洗濯物の多さを判断してくれて適切な量の注水が始まる。半年使ってみて、水の量28リットル以外が選ばれたことがないのは気にはなるがこの際無視して続けよう。

注水が始まったら適当な量の洗剤、柔軟剤を所定の位置に入れる。この時、注水は始まっているので、洗剤の所定の位置はすでに水まみれ、本当にこの使い方であっているのかどうか不安である。柔軟剤は本来的には洗濯の終盤で投入されるのが正しいので、所定の位置に入れておくと、終盤、適当なタイミングで適当に投入されるんだと思う。全自動洗濯機すごい。

 

ここまでくれば後は、蓋を閉じて待つのみ。すすぎも脱水もやってくれる。ボタンも表示ランプもたくさんあるのだが、使いこなしたためしがない。全自動洗濯機なんだから全自動で使える機能のみでことたりるだろう。

 

洗濯が開始すると表示ランプには数字が表示されることになる。これが洗濯の残り時間の目安らしい。電子レンジみたいなものである。秒数までは出ないが、右下の小数点みたいなやつが点滅していることで進行していることを伝えているし、点滅の速度はたぶん1秒。60回点滅すれば1分経過ってな具合だろうか。

 

生まれて初めての一人暮らしの時は1ルームの家で、部屋の中心に洗濯機が鎮座していた。もはや家主が私なのか洗濯機なのかわからないような部屋であったので、洗濯機が活躍している間同じ部屋にいるのが苦痛でしかなかったのだが、今は違う。洗濯機には洗濯機専用といっても過言ではないエリアが与えられ、私はドアを隔てた部屋でテレビやゲームや一人遊びに興じることができる。適度な距離感を保てるようになった。

 

しかし部屋を出て歯を磨く、顔を洗う、風呂場をのぞくといった生活の1シーンのために洗濯機の活躍を隣で見守ることになった際にふと、残り時間の表示が気になった。半年間何度となく洗濯してるところに出くわしたが、ほとんどの場合、残り9分になっているのである。夏の終わりでも雪の降りつける真冬でも、私がのぞくと残り9分の顔をしている。ひょっとして洗濯機、お前は素顔を見せてくれていないのではないか。試しに洗濯しそびれたハンドタオルを表示ランプの上に覆って離れ、時間をおいてトイレのついでにタオルをはがしてみたら、残り9分であった。不細工な表情は決して見せないのって言ってるアイドルかよ。

 

そんな作られた表情しか見せてくれない洗濯機にも慣れ、残り9分の顔をしている隣で歯を磨いているとき、さらに別の事実に気が付いた。こいつ、9分がとてつもなく長い。いつも通り残り9分の洗濯機の横で電動歯ブラシで歯を磨いていた。親切な私の電動歯ブラシは90秒で一旦停止する。90秒である。私の記憶と小学生時代の記憶が確かならば1分は60秒であり、90秒はその1.5倍である。まだ半分しか歯を磨けていないのに動きを止めた電動歯ブラシに融通が利かないなと小言をぶつけているときに洗濯機を横目に見やると、まだ9分である。残り9分だったくせに90秒経過後もまだ9分。大人になりたくないと叫んでいる19歳の若者かよ。成人年齢引き下げを教えてやりたい。

 

この洗濯機と一緒にいるときだけ、私は時間を止めることができると気が付いたのだ。ヤッホウ。ある意味これでDIOのザ・ワールドと同じ力を手に入れたも同然。ただし使い勝手は最悪、常に洗濯機を持ち歩かないといけないし、残り9分表示まで見て見ぬふりをしてないといけない。だるまさんがころんだ。

 

なんてことを入浴直後、脱水の音が近所迷惑になるので、少しでも早くとチンチン丸出しで洗濯をしている時に考えていた。

 

結局チンチン丸出しが言いたかった

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正直映画レビュー「翔んで埼玉」

去年カメラを止めるなを観て依頼半年ぶりくらいに映画館に行ってみたのが「マスカレード・ホテル」だったのだが、私ごときが語るには難しすぎたので他に譲るとして、もっとわかりやすい映画のレビューをしようと思う。

 

翔んで埼玉

関東出身者ならついていける度:90点

 

こうしたレビューを何回もやっていきたいが点数つけるほどの身分でもないので、よくわからない観点をかってに作って点数をつけさせてもらう。炎上こわいもの。

 

さて、公開から各所で話題になっている翔んで埼玉だが、そもそも「とんで」の変換で出てこないし、空を飛ぶようなファンタジーの話でもない。東京から埼玉すっ飛ばしたら、多分群馬に着地する。そこから始まる群馬のサクセスストーリーということでレビューを展開しようと思ったのだけれど、あいにく実際に映画を見てしまっているので、正直にレビューしていこうと思う。そのうち見てない映画も想像でレビューしてみたいとは思う。いつの間にか公開前の映画とか、架空の映画とかのレビューもしたい。どうせ役に立たないし。

 

タイトルから映画の舞台は偏差値1桁のみなさまでもおわかりいただけるだろう。そう東京である。時代設定と世界観は現実世界と微妙にズレていたりするが、東京である。最終的に都庁になる。都庁前が人でごった返すシーンでは、あまりに人が多すぎて、【ネタバレ】東京マラソンでもやってるのかと勘違いしそうになった。【注意】そう考えると使われてる映像によっては私も映っていたかもしれない。エンドロールにはいなかったけど、銀幕デビューしちゃったなあ。

 

東京に迫害される埼玉が東京と戦うみたいな話である。徹底的な埼玉いじりと評判の通り、埼玉の不名誉な記録やあるあるが並びたてられている。埼玉県人の懐の深さで成り立っているみたいに言われてるけど、埼玉をバカにしてる以上に群馬もいじられてるから。前日に行った居酒屋で栃木出身の人が「ロケ地はほとんど栃木」と言っていたが、作中栃木はあまり触れられていないので、群馬の勝ちである。同じく北関東の茨城は海もあるし群馬といい勝負だった。

 

関東の人間にしたらよく聞く話である。東京を頂点とし、次いで横浜(神奈川ではない)、千葉と埼玉が争い、北関東が目くそ鼻くその争いを底辺でしている。こんな話、他地方の人が聞いて理解できるのだろうか。とりあえず埼玉県内では大ヒット上映中である。関東はそこそこ、中部、東北、ボチボチ、西日本はインド映画でも見に行くテンションで映画館に行ってるのではないだろうか。関東に山梨、長野、新潟、いわゆる甲信越を入れなかったのは申し訳ない、関東代表の群馬県としてお詫びする。

 

レビューっていっても説明が難しいし小ネタが多くて楽しめた映画だった(マスカレード・ホテルも小ネタは多かったが、必要性をあまり感じなかった)。

 

これ以上書くと炎上しかねないのでこの辺にするが、群馬県出身、東京生活を経て、埼玉県民の私はすごい楽しめた。全てが私の手のひらの中で起きていた。正確には全ての出来事に心踊らされていた、完全に心掴まれていた。そんな映画。

 

ださいたま、くさいたま

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映画『翔んで埼玉』公式ガイドブック

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